■昨日は結婚式だった。新郎は大学の同級生。学生時代の彼は、自宅のアパートの壁に自筆の貼り紙をはるという奇癖があり、また酒を飲むと奇声をあげるなど、なかなか一緒にいて楽しい奴だった。それがいまでは会社の若手ホープらしく上司がほめまくる。嫁さんも美人。黒人の男性歌手が突然登場しゴスペルを歌うなど趣向盛りだくさんの会であった。披露宴の終盤、俺にもスピーチのマイクが向けられた。当たり障りのないことを言ってやれやれ終わったと思ったら、司会者から突然質問が。「○○さん(俺のこと)ご結婚の予定は?」「えー、まったくありません」「好きな女性のタイプは?」。予想外の質問だ。うろたえながら「えーと……菅野美穂さん」とつぶやいた。場内からは失笑。しまった。「明るい人」とか答えりゃ良かった。正直すぎ。
■近所のレンタルビデオ屋の中にある古本コーナーで石原慎太郎の「太陽の季節」を発見。150円。俺はこのマッチョ都知事が嫌いであった。理由は「威張ってる」ということに尽きる。でも書いたものは「弟」くらいしか読んだことが無かったので、文化系基礎体力向上のために購入。面白い。当時ブームになったのも分かる。何でも食わず嫌いはいけないと反省した。でもねえ。22歳でこれを書いて芥川賞をとり、弟は映画スター、毎日ヨットを乗り回して女の子と遊んでるような青春を送ったオッサンは、やっぱり好きにはなれん。ひがみです。ハイ。

■先日会社を辞めた俺の同期が残した文章を発見。大阪の大学のゼミ仲間にあてた近況報告だが、大笑い。下記参照。

−−
 皆様のご健勝、ご活躍の近況をメールで非常に楽しく拝見させていただきました。
○○様にはご結婚本当におめでとうございますとお伝えください。また蛇足かとは思いますが、私の近況もここでお知らせいたします。総会の席で皆様にお知らせいただければ幸いです。

 30ワットの蛍光灯が七三すだれハゲの油ぎった私の頭を光らせています。小さなメガネがこめかみをきつく締め付け、顔面が張ち切れんばかり、体重89キロの巨体、その脂肪の固まりを東京中の牛丼やケーキが染みついた一張羅の紺のスーツが覆っています。もともとこんなハゲデブの二重苦男には誰も近寄りませんが、それに加えて2週間前にガスを止められ半径2メートル以内には何人も寄せ付けない悪臭が満ち、天涯の孤独にますます拍車が掛かります。そして誰も近寄れないことをいいことに、
仕事をしているフリをしてこんなメールを書いている、出世の見込みがまるでないダメサラリーマン −これが、○○○○、男性、28歳、独身の近況です。

−−
ホントはやせぎすのガンジーに似た男です。
■アサヒ・コムより。<外務省は23日、イラクの首都バグダッド市について、在留邦人の「自主的な退避」を勧める危険情報を出した。これまで「退避手段等の検討」を勧めていたのを強めたもので、急激な情勢悪化によりイラクからの出国が困難になるのを避ける必要があると判断した。>

いよいよ空爆の日が近づいてきたとみてよいだろう。イラク側に「人間の盾」として使われるのを防ぐため、と外務省は説明するが、アメリカの空爆で同盟国の人間に死者が出るとうまくないので、各国に「そろそろ始めますよ」と事前通告されたとみるのが自然だ。

■沢木耕太郎「地図を燃やす」を再読。ノンフィクションを書く方法についての覚え書きをまとめた一冊。初めて読んだのは22歳頃だった。世界を旅し、知らない人に会い、話を聞き、ものを書く。そのことに羨望と憧れを感じながら読んだ記憶がある。だが、いま読み返してみて、以前と違う読後感が残った。それは俺がこの本を書いたときの沢木の年齢に近づきつつあるからだ、と気づく。同書の中に小澤征爾の次のような言葉が出てくる。「三十までは何でも出来ると思っている。でも三十を越えると自分がこれからの人生で出来ることと出来ないことが地図のようにはっきり見えるんだ」。三十になったばかりの沢木がその言葉に共感しつつも反発した気分が、いまは何となくわかる。

■仕事で世話になっている人から電話。「お隣の怖い方の国に行くことになっちゃった」とのこと。この時期にたいへんだなあ。でも面白そうだ。土産話が楽しみである。

■イースター島のモアイ事件。早速今日発売の「週刊新潮」に実名が出ていた。カタカナだけど。本人も、ここまでの大事になるとは思わなかったらしい。禁固5年もあり得ると聞くと、ちょっと同情する。

映画と焼き鳥

2003年1月20日
ここ数日。

■東中野で映画を見る。単館上映で、100席ほどの客席には総勢で10人しか客がいない。一番後ろの席に、その映画の主演俳優がひっそりと座っていた。その主役は、一緒に行った俺の知り合いの知り合いだった。へたに題名とか書いちゃうと、その主役の彼がネットで検索してこのページを見てしまうかもしれないので、あえて題名は書かない。映画を見終わって、電車の中で相方と感想を言い合う。「一言でいって、風呂ん中で屁ーこいたみてえな映画だな」「井筒監督風にいえば、払っても200円(実際は1700円)。それも知り合いが主役だからっつーのがでかい」「梅宮アンナの台詞棒読みなんて大したこと無い、と思った。あそこまで棒読みだとシュールだね」「だいたい映画でも何でも一番大事なのはテーマだろ。それが全く無えよ」「素人とプロはやっぱ違うな何でも」「映画見てる最中に時計を見たのは久しぶりだった」など散々けなしまくる。「ちょっとは良かったところを話そうぜ」と二人で考えたが、「焼き鳥が出てきたところあったろ。あれみて焼き鳥食いたくなった」「あ、俺も! 焼き鳥食うか」ってことで飲みに行ったが入った飲み屋に焼き鳥が無くてまた沈んだ。
■自宅で『深夜特急』を読み直す。シルクロード編。羊の肉と臓物をトマトとコショウで炒めて血で煮込む料理が出てくる。食いてえ。旅行熱が高まってきたが現実にはとても行ける状況じゃない。「スパイゲーム」という映画でロバート・レッドフォードがCIAを引退した後、カリブかどっかのリゾートで余生を過ごすのを楽しみにしてるって描写が出てきたがそんな感じ。

■矢ガモが見つかったというニュース。先日中華料理屋で香港風カモの煮込み丼を食ったばかりだったんで「カモはうまいから気持ちはわかる」と思う。でも食うためだったらボウガンは使わないか。

イルカと中年

2003年1月17日
■今日は花の金曜日。とはいえ俺には関係ない。明日も9時から出社だから。休みなんていらねえや、と強がってみるが、そういや会社入ってから旅行というものにいっぺんも行ったことがないことに気づく。むかし沢木耕太郎の「深夜特急」を読んだときは26歳までにユーラシア大陸を一周してやると思っていたのだが。そんなことを考えながら地下鉄構内を歩いてたら、旅行会社のブースがあった。何となく「ヨーロッパフリープラン」と「カンクン」のチラシを手に取り、電車の中で読む。カンクンという地名を知ったのは最近。友人がその地の「イルカと一緒に泳ごうツアー」に参加したのだ。そのイルカツアーは人気のようで、周りはハネムーンの日本人カップルだらけ。一人ひとりイルカに乗ってるところをビデオで撮影してくれて帰りにテープをくれるという至れり尽くせりなパックだった。後日、友人宅でそのビデオを見せられた。俺もイルカに乗ってみてえなあ、と単純に思った。

風邪と消費税

2003年1月16日
■風邪がやっと治る。正月の帰省で心身共に気がゆるんだところにウィルスが忍び寄った。不思議と忙しいときや仕事で寝不足が続いているときは風邪をひかないものである。身体も普段からある程度ストレスを与えておかないと防御反応が鈍るのだろう。

■で、食欲が戻った。昼はドライカレーを食う。鼻づまりが治って食べ物の匂いがわかるのが嬉しい。風邪が一番ひどいときにもカレーを食ったが、匂いがしないカレーってのは辛いだけでうまくも何ともない。

■最近ニュースが暗すぎる。とくに経済は本当にシャレにならない感が出てきた。メディアのトーンが一年前と違う。今朝のニュースでは今後の年金財源を消費税4%の増税で確保する案を提言していた。いまは発泡酒や煙草などのとりやすいところからとっているが焼け石に水。近い将来、消費税が10%くらいまで上がることは避けられなさそうだ。

近所のラーメン屋。連休のときはすごかった。3軒先の店の前まで行列ができてる。数えたら58人も並んでいた。数える俺もヒマだが、それにしても、ラーメン一杯食うのに1時間半待ちだよ。同じ待つなら、アルタの前でタモリを待つとか、もう少し生産的というか、達成感がありそうなものを待つべきじゃないのか、と一人ずつ説得して回りたくなった。しかしここまで並ぶと、ラーメンに何か入ってんのか? とすら思う。昔「包丁人 味平」ってマンガで、人々を魅了するブラックカレーというのが出てきたのだが、じつは麻薬入りだったという衝撃的なオチを思い出した。

成人式と坂の上の雲

2003年1月14日
■成人式。去年より減ったとはいえ、「暴れる新成人」がテレビに映し出されるのも毎年恒例となりつつある。あれを見るたび感じること。何でモザイクをかけるのかしら。目立ちたくてやってるんだから、本人達もそう言っていることだし、ばっちりアップで一人ずつ全国放送してあげればいいじゃないか。「二十歳の記念」に大暴れする俺たち! カッコウィー! ってな。ディズニーランドで式あげたり親同伴にしたりするより、よっぽど来年は静かになると思う。

■この連休。ひたすら眠る。合間によろよろ書店へ行き司馬遼太郎「坂の上の雲」2〜8巻を購入。4050円也。ブックオフで買えば2000円か…とも思うが、これで司馬さんの家族に印税が入るのだ、本は読むことより買うことが大事なのだ、と自分に言い聞かせる。

身辺雑記

2003年1月10日
■会社の昼休み病院に行った。2年ぶり。頭がボーッとしてると思ったら熱が38度4分もあった。医者の爺さんは「ありゃりゃ。のどが真っ赤だよ。これじゃ苦しいのは当たり前よウシャシャシャ」なんつって俺の舌をぐいぐい引っ張る。痛い。やめて。ノドの奥の一番イガイガしているところに薬を直接ぬってもらう。ヒンヤリして気持ち良い。熱冷ましと抗生物質をもらう。昼飯はメンチカツ定食。半分以上残した。薬を飲むために無理矢理食ったのだが、さすがに申し訳なく、店員に詫びる。連休は寝て過ごしそうである。

■じつは禁煙の誓いを破ってしまっていた。それもこれも怒濤のように続いた忘年会のせいである。この風邪を機会に再度トライを決意。うう。

■PRIDEの森下社長が自殺の報に驚く。ウラに何かがあることは間違いないと思うが、石井館長逮捕といい、格闘技界に受難が続いている。ま、梶原一騎先生を思えば、格闘技にはウサンくささがあった方が面白い。

今日の日記

2003年1月9日
風邪をひいてしまった。ここ2年くらいまったくひかなかったので油断してました。
前にも書いたが「スローライフ」という言葉が気にくわない。今日の新聞広告『日経WOMAN』の特集タイトル「恋も仕事も自然体がうまく行く…あなたを幸せにするスローライフ宣言」を見てますますその思いが強まった。なぜか。決してその提唱する理念や理想に反対するワケじゃない。確かにファーストフードは不味いし健康に悪いし出切れば食いたくない。誰だって毎食1時間かけワインとパスタを食って昼寝をしてみたいさ。でもそれってわざわざ他人様に威張って言うほどのことじゃねえだろ。「スローライフ」なんてカッコつけずに「怠け者主義」と書けばいい。

実家にて

2003年1月2日
正月二日目。我が家の駄犬(ヨークシャーテリア4歳)が、台所で父親の仕掛けたネズミ捕りにひっかかっているところを発見される。ネバネバが体中にからまり情けない事この上なし。とりあえずハサミで主要なネバネバを毛ごと切り、食用油をドボドボ振りかけて体を洗う。その間、まことに面目なさそうな表情の犬一匹。ネズミを捕るために掛合わされた種だけに恥もいかばかりか。漱石先生の「我輩は猫である」にもこんな場面があった。「駄犬」「愚猫」という日本語は素晴らしいなどと愚にもつかぬことを思う新年。

しょうもない話

2002年12月26日
あらゆる癒しを排除するという方針のこの石ころ日記。気付いたらアクセスが3000も。その内2850くらいが自分だったとしても150回くらいは他の人が見てくれたわけで嬉しい限りです。それはそれとして、またまたトンパチ同期の話。先週末で彼は辞めたのだが、その送別会のあと二人で飲んだ。で、「じつはお前にずっと黙ってたことがあったんや」という。「半年くらい前、新宿でめちゃくちゃ飲んでお前のアパートに転がり込んだことあったやろ。あの夜二人とも泥酔してたけど、何か妙な気配がして目が覚めたんや。そしたら窓から真っ黒なオッサンが入ってきてな。お前に覆いかぶさって、じーっと見下ろして、また窓から出てったんよ。二階なのによく入ってこれたなと不思議やったんやけど酔っぱらってたからまあええわ、と思ってまた寝た」。寝るなよおい。これを聞いてから、アパートで一人でいると、誰かが背後に立っているような気がしてならない。

ブランド嫌いパート2

2002年12月20日
腕時計がいま無い。ずっとセイコーの安物を使っていたのだが、洗濯しちゃって壊れた。で、ちょっと前に兄貴にもらったタグホイヤーの時計(これも電池切れで止まってた)を修理に出しました。そしたら今日、LVMHグループ様から「お見積書」が届いた。見てみると、修理項目:コンプリート修理「25,000」。消費税「1,250円」。合計「26,250円」。腕時計買えるじゃねえか! 牛丼太郎の並牛(200円)なら131杯食える。三食それならあなた、43日間暮らせますよ。日頃俺が買う物といったら、ボールペン、缶ビール、山手線の切符、文庫本、缶コーヒー……くらい。いま「普段なにを買ってるんだろう」と考えたら、ほとんどモノを買ってないことに気付いた。エンゲル係数かなり高めです。話を戻す。ふざけるなルイ・ヴィトン! だからブランドモノは嫌いなんだ。電池交換だけしてくれりゃいいのに、コンプリート修理なんていらんわ! でも新しい時計を買うよりはいいか……と揺れる男心in2002冬。
タイトルの通りの女子高生が、地下鉄でとなりに座ってきた。電車は込んでいて、さらにコートを着ているから席はぎっちり。ガンガン俺をヒジで押してスペースを作ると、ポケットから口紅は出すわおしろい(今はなんて言うのか知らん)は塗りたくるわまつげはクルクル巻くわでオジサンびっくり。とくに感想もない。日本は平和だ。
■禁煙継続中。面白いのは、ストレスを感じると煙草が吸いたくなること。「渡ろうとした信号が目の前で赤に変わった」とか「面倒な電話を受けた」後などに激しく吸いたくなる。まるでパブロフの犬だ。これまでの10年間の俺は、ストレスを受ける度、煙草を吸うことで精神を落ち着かせていたんだなあと実感した。強い衝動だが、グッとこらえると1分ほどで去る。この状態が3週間は続くらしい。煙草の匂いに敏感になった。

■そんなわけで原稿が進まない。困ったもんだ。

近況報告

2002年12月16日
禁煙は継続中。この5日間で3本吸ってしまったが、現在のところ54時間ニコチン摂取ゼロ。やりとげます。ウーイ。ちょいと酔っぱらい気味。帰って寝るとしよう。

煙草やめる宣言

2002年12月13日
ふと、思い立って、昨夜からタバコをやめてみた。禁断症状ってやつか、体がなんとなくかったるい。頭がボ−ッとする。10年以上吸い続けてきたのをやめるんだから、それくらいの変調はあって当然。これまでも辞めよう辞めよう、と繰り返し思っていたのだが、昨日の増税決定で、急にこんなものを喜んで吸ってるのがアホらしく思えてきたのだ。依存症を引き起こす嗜好品(これには全ての公営ギャンブルを含む)を、国が専売で売るってのは、よっぽどうまみの大きい商売なんだろう。なんせ、真冬の夜中でも、煙草が切れれば寒さに震えながらコンビニに買いに行くのがスモーカーの性。そんな不自由とは今日でおさらばする。
林真須美被告の死刑判決を見て、祖母を爆殺しかけたことを思い出した。あれは俺が小学3年生のとき。田舎の俺の家には家庭用焼却炉(といってもブロックを積み上げただけ)があり、家庭から出る燃えるゴミ(といってもビニールとかプラスチック燃やしまくり。さらに畑のど真ん中にあったからダイオキシン食いまくり)を日々燃やしていたのだ。9歳の俺は、キンチョールの注意書きに「火の中には決して入れてはいけません」と書いてあるのを見て、「入れたらどうなるんだろう……」と好奇心の塊になっていた。ある日の午後、小学校から帰ってきたら、焼却炉でゴミを燃やしている。いまだ! と俺は納屋にあったキンチョールをひっつかみ、手榴弾のように投入した。物陰からそっと見守る俺。爆発はいつだ? どれくらいの威力なんだ? と、そのとき、祖母がクワを片手にビニールハウスから出て来るではないか!「おばあちゃん! 近寄っちゃダメだ! 死ぬよ!」と言いたくても声が出ない俺。一歩ずつ焼却炉に近づく祖母の姿がスローモーションのようだった。時間にすれば5秒ほどのことだったに違いない。紅蓮の炎が焼却炉から天に向かってあがり、大音響とともにブロックが消し飛んだ。ばあちゃんは腰を抜かしている。俺は何もいえずただしゃくりあげるだけだった……。その夜おふくろから往復ビンタを80発はもらったが、俺は泣きながらも祖母が「びっくらした〜」と元気でいることが嬉しくてたまらなかった。その婆ちゃんも老衰で死んでもう6年になる。

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