昨夜。知人二人と遅い電車に乗り込む。電車内はほどほどの混み具合で、座席もところどころ空いていた。我々の前には、2.5人分くらいの空きスペースがあり、そこに25歳くらいのピンク色のTシャツを着た男が、大股を開いてマンガ雑誌を読みふけっていた。私は「どうぞ」と言って知人二人を座らせた。マンガ男がちょっと席をずらせば、充分に私が座れるスペースができる。当然、そうするだろうと思った。しかし、男は微動だにしない。私の姿などないかのようにマンガを読みふけっている。一駅過ぎたところで、私は少し腹を立て、「すみません」と言って0.5人分くらいのスペースに座った。ちっ、と男が舌打ちをした。こっちの顔を見ている。私も見返す。男はまったく動かない。私はそのまま視線をそらし、知人と会話する。男の体温が脇腹に伝わってくる。私はさらに腰を座席の奥に動かす。男が押し返してくる。こうなったら意地だ。5分ほど気持ち悪い男の体温を感じながら、無視して知人と会話を続ける。男がわざとらしく「あーあ」と言って腰を浮かせ、スペースを作った。「最初からそうしろよ」と心の中で毒づいた。乗り換えの線がある駅に電車が止まり、男は席を立った。私をにらみながら、電車を降りる。私もじっと男の顔を見つめる。なりはでかいが、顔つきが子どものままである。電車のドアが閉まって動き出してからも、男は私をにらみ続けていた。知人二人は何も気づかずに、冗談を言い合っていた。
コメント
関西には居ませんよ。
やあ。うーむ。「電車の中での暴力事件というのは、こういうときに起こるのかもなあ」とちょっと思った。読み返してみると俺もいささか(だいぶ)大人げないですね。でも誰かが教えないとこいつは一生このままだ、と思ったのだ。
15円さん
どうもコメントありがとうございます。仰るとおりですな。どこにでもそういう人は一定の割合でいるものです。なるべくなら出会いたくないが、必ず出会ってしまうというのも、どこでも一緒だ。
今日、某駅から乗ってきた奴がそんな感じでした。
十分空きスペースがあるのに、自分の腕をグイグイとこちらに押しつけてきて、じっとみるとにらみ返して来る。
自分の場所を確保したいんだなぁ、と思いつつ、彼は新宿で降りていきましたが。
おはようございます。久しぶりに電車に乗ると、ホントに「こいつおかしい」という人に出会いますね。「心やさしい変人」は大好きなのですが…。