8月17日の日記
2005年8月17日床屋政談(独り言)です。
訪問先で会った経営者が、「今回の小泉さんの手法は見事だね」と褒めていた。
「一点突破、周辺展開」で、非常に分かりやすい、と。
「スピード感が違うから、造反議員がついていけてない。民営化に賛成か、反対か、焦点をそこに絞ったのも分かりやすい。こりゃ今度の選挙は圧勝だろうな」と言っていた。
なるほど、たしかに見事だ。
ビジネスというのはスピードが大切だから、社長が共感するのも分かる気がした。
だが、こういう問題を考えるときは、短いスパンで捉えるのではなく、長い期間の収支で考える必要があるだろうな、と思う。収支という言葉が個人的にはイヤだけど、それ以外に適当な言葉が思い浮かばない。
保阪正康の「あの戦争は何だったのか」(新潮新書)を読む。筆致が冷静で信頼できる書き手と感じた。
太平洋戦争については、「ABCD包囲網や、呑めるはずがないハルノートを突きつけられ、そういった当時の状況を考えれば、開戦したのは正しかった」と考える人がいるが、そう言われてみれば一理あるような気もする。当時に生きていないから実際のところは知らないが、国全体が「開戦やむなし」「イケイケドンドン」だったことはこの本にも、ほかの本にも書いてある。国民の後押しがあったから、開戦できたということだ。
だが、あり得ないことだけれど、ときの東條内閣が、「このまま米英にたいして開戦に踏み切れば、結果的に300万人以上の日本人が死に、国中が焦土となり、原爆が2発落とされ、無条件降伏する」という未来を、もしも予測することができたら、開戦は思いとどまっただろう。常識的に考えて、負けが確実な戦を始める馬鹿はいない。
「見通しを誤った」から、いまから考えれば勝てるはずがない戦争に踏み切ったわけだ。当時も山本五十六他、米国の国力を知るものは「勝てるはずがない」と開戦前に主張していたそうだが、「いざ始めれば日本人の精神力でその程度の差は乗り越えられる」といったアホな楽観主義に、押し切られたそうだ。と、この本に書いてあったから、多分そうなんだろう。
今回の郵政民営化も、時間が経ってからその評価が定まるものだろう。民営化賛成/反対ははっきりしてるが、10年後どうなってるのかが今ひとつワカラン。「これもアメリカの陰謀なんではないのか」と思ったので「郵政民営化 年次改革要望書」でググってみたらやっぱり陰謀論がたくさん出てきたけれど、それにも冷静に反駁する意見もあって、つまり、よく分からない。民営化したらどうなるのかも、「景気が劇的に回復!」から「禿げタカ外資に食い荒らされる!」なんてのまであって、何が何だかわからん。
俺は何だかんだ政治の話が好きなんだな。
だが、多分、今回も投票にはいかないだろう。
ポリシーではなくて、住民票を移してないから。
訪問先で会った経営者が、「今回の小泉さんの手法は見事だね」と褒めていた。
「一点突破、周辺展開」で、非常に分かりやすい、と。
「スピード感が違うから、造反議員がついていけてない。民営化に賛成か、反対か、焦点をそこに絞ったのも分かりやすい。こりゃ今度の選挙は圧勝だろうな」と言っていた。
なるほど、たしかに見事だ。
ビジネスというのはスピードが大切だから、社長が共感するのも分かる気がした。
だが、こういう問題を考えるときは、短いスパンで捉えるのではなく、長い期間の収支で考える必要があるだろうな、と思う。収支という言葉が個人的にはイヤだけど、それ以外に適当な言葉が思い浮かばない。
保阪正康の「あの戦争は何だったのか」(新潮新書)を読む。筆致が冷静で信頼できる書き手と感じた。
太平洋戦争については、「ABCD包囲網や、呑めるはずがないハルノートを突きつけられ、そういった当時の状況を考えれば、開戦したのは正しかった」と考える人がいるが、そう言われてみれば一理あるような気もする。当時に生きていないから実際のところは知らないが、国全体が「開戦やむなし」「イケイケドンドン」だったことはこの本にも、ほかの本にも書いてある。国民の後押しがあったから、開戦できたということだ。
だが、あり得ないことだけれど、ときの東條内閣が、「このまま米英にたいして開戦に踏み切れば、結果的に300万人以上の日本人が死に、国中が焦土となり、原爆が2発落とされ、無条件降伏する」という未来を、もしも予測することができたら、開戦は思いとどまっただろう。常識的に考えて、負けが確実な戦を始める馬鹿はいない。
「見通しを誤った」から、いまから考えれば勝てるはずがない戦争に踏み切ったわけだ。当時も山本五十六他、米国の国力を知るものは「勝てるはずがない」と開戦前に主張していたそうだが、「いざ始めれば日本人の精神力でその程度の差は乗り越えられる」といったアホな楽観主義に、押し切られたそうだ。と、この本に書いてあったから、多分そうなんだろう。
今回の郵政民営化も、時間が経ってからその評価が定まるものだろう。民営化賛成/反対ははっきりしてるが、10年後どうなってるのかが今ひとつワカラン。「これもアメリカの陰謀なんではないのか」と思ったので「郵政民営化 年次改革要望書」でググってみたらやっぱり陰謀論がたくさん出てきたけれど、それにも冷静に反駁する意見もあって、つまり、よく分からない。民営化したらどうなるのかも、「景気が劇的に回復!」から「禿げタカ外資に食い荒らされる!」なんてのまであって、何が何だかわからん。
俺は何だかんだ政治の話が好きなんだな。
だが、多分、今回も投票にはいかないだろう。
ポリシーではなくて、住民票を移してないから。
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