9月4日の日記

2004年9月4日
・現在どうやら世界規模で「言葉」というものの重みが急激に失われつつあるらしい。いや、失われるというよりも、単純化しつつあると言った方がいいかもしれない。

例えば、「コラテラルダメージ」という言葉がある。
参照↓
http://www.emaga.com/bn/bn.cgi?7777

「目的達成のための付随的な犠牲」という意味らしいが、この言葉には、犠牲者一人一人の人格や過去の経歴、未来における可能性などの意味が一切ない。数量として人間を扱うための言語である。ヒロシマとナガサキの二十万人の死者もコラテラルダメージとされる。

新聞に並ぶ「テロリスト」「イスラム原理主義」「テロに屈するな」「国益」「自由と民主主義」「こどもの命」「卑劣な犯行」「過激派」……といった言葉を眺めていたら、またあの小説を思い出した。

オーウェルは近未来小説「1984」の中で、「ニュースピーク」という言語体系を創造した。「ニュースピーク」は非常に単純化された言語であり、抽象的な概念、例えば「権利」といった言葉は初めから存在しない。ゆえに国民はその概念すらも知らない。拷問を行う省庁は「愛情省」、戦争を行うのはたしか「平和省」と呼ばれていた。
詳しくはこちら。
http://hotwired.goo.ne.jp/ecowire/hoshikawa/030617/

おっそろしく現代を予見している小説なので、おすすめです。

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